ろっぴーのブログ

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雪組「壬生義士伝」感想

やっと壬生レボ観て参りました!まずはお芝居の方から感想とレポを。セリフはすべて「こんな感じ」というニュアンスです、ご了承ください。

 

望海風斗さん  

すべてが素晴らしかったです。非の打ち所がなさすぎて、逆にどこに言及すればいいのかと思ってしまいますが…  

まずは何より、吉村貫一郎そのものにしか見えなかった。柔らかい人柄とそれを象徴するような南部弁(流暢すぎる)、その中で芯として絶対に揺らがない家族への愛と武士としての誇り。惚れるなという方が無理です…  

吉村さんが登場してすぐしづさんにプロポーズ、という流れでそれまでの二人の関係の積み重ねは描かれていませんでしたが、それでもしづさんが大野さんの側室にというお話を蹴って吉村さんに嫁いだことが自然に感じられました。  

プロポーズのときも「断られたらこの場で腹を切りやんす!」とかなりトンデモ発言をしてますが、それすら素敵!と思ってしまうのは吉村さんのまっすぐな性格と、演者のだいもんが普段発揮している愛され力の賜物でしょうか笑  本当に理想の旦那様!!  

しかし幸せな時間は長く続かず、南部は飢饉に見舞われ…しづさんが口減らしのため川に身投げしたと聞きすぐに駆けつけ介抱する吉村さん、辛い場面ですがだいきほ初の夫婦役なんだなあと改めて実感し感無量でした😭  

そして吉村さんは少しでも多く収入を得るため、脱藩して新撰組へ。しづさん・子供たちとの別れの場面で「石を割って咲く桜」に心を抉られます…公演前にキャトルで流れてた時点で少し「う…っ😢」となりましたが、本編で聴くとさらに…伸びやかなだいもんの歌声が南部の美しい景色と別れの辛さを訴えてくる。メロディーも美しく、素晴らしい主題歌です。  

このお芝居において、吉村さんの南部弁はとても大きな役割を果たしていると感じます。素朴な響きが江戸や京から離れた南部の慎ましいらしを想像させ、同時に貧しさ故の哀しさと舎臭さも漂わせる。新撰組メンバーの中では一際吉村さんのセリフは目立ち、その存在の特異さ(お金を稼ぎ、自分と家族を生かすために人を殺す点において)を象徴し、同時に一般的に有名な隊士ではないながら紛れもなく主人公であることも明確にする。実に効果的です。  

私は原作も映画・ドラマも未見ですが、雪組版においては吉村さんが新撰組で一目おかれ、親しまれていたのだなという印象を受けました。最後に斎藤さんが「吉村は新撰組の英雄ではなく良心だった」と言っていましたが、まさにそれがしっくりくる描き方。辛いエピソードばかりのお芝居ですが、この点においては心穏やかに観ることができました。  

吉村さんが新撰組隊士として最初に登場するのは宴会のシーンで、お酒をもって甲斐甲斐しく動き回るのが可愛い笑  

そして斎藤さんの隣でお国自慢・家族自慢を始めるのですが、ここでだいもんのさりげない凄技が!!吉村さんのセリフの途中で斎藤さんの心の声が入る際、その継ぎ目に全く途切れがない!セリフはないのに手ぶりもつけながら自然に会話を続けていて、びっくりしてしまいました。これだいもんのマイクを切っているだけでご本人は普通に話し続けているんでしょうか?いや、それにしても上手なお芝居です(語彙力…)  

そしてもちろん殺陣がかっこいい!柔らかい物腰なのに、剣を構えた瞬間すっと張り詰めた雰囲気になるのがたまらないです…ギャップ萌え最高。剣客揃いの新撰組の中でも特に腕が立つという設定通り、威厳が漂っていました。  

あと新撰組で特筆すべきは、やはりハジメ君こと斎藤さんとの場面ですね。「吉村は俺にないものすべてをもっていた」というセリフ通り対照的な二人。立ち回り含めがっつり絡んでいますが、斎藤さんが吉村さんの剣の実力や人間性を認め、少しずつ心の距離が近づいていく様子がよく描かれていたと思います。とはいえ、恐らく最後まで二人の関係は友人といえるものではなかったでしょう。これは武士として常に命懸けの立場・時代故であり、現代日本人の私たちには真の意味で理解することは難しいかもしれません。  

二人のシーンは初対面からの斬り合い、名探偵吉村さん(谷さんの下手人を見破る場面です笑)、ぎりぎりまで敵軍に追い詰められた中での「南部へ帰れ!」など、本当に印象的なものばかりでした。  

そして、京の登場人物で重要なもう一人がおみよさん。この二人って一回りくらい年離れているのでしょうか?若い身で2年以上吉村さんに片思いとは、おみよさん見る目があります(謎目線)  

商人になれば命の危険に晒されることもない、とおみよさんとの縁談を持ちかけられるも、家族を思って断る吉村さん。でもしづさんの面影を重ねて彼女を抱きしめてしまう…という流れが切ない。吉村さんは我に返ってすぐに去ってしまいますが、これが二人が最後に会った日なのだろうか、と考えるとさらに切ない…  

そして新撰組は新政府軍との戦へ。一人義を掲げて敵に向かって行く吉村さんに、誠の群像の土方さんを思い出しました。重傷を負い、南部藩蔵屋敷へ駆け込んだ吉村さんに旧友大野さんは切腹を命令。  

ここまでの流れで吉村さんがどんな気持ちを抱いていたのか、すごく考えさせられます。なぜ他の隊士たちと行動を共にしなかったのか。戦の際は死を覚悟していたはずなのに、なぜ大野さんに助けを求めたのか…  

命令を受け入れ、一人切腹までの時を過ごすお芝居が圧巻でした。それまでも散々辛いシーンばかりだったけど、雪を見て呟いた「南部に帰ったみたいだ…」が刺さりました。もし百姓に生まれていたら、と言いつつもすぐに「武士らしく死なねば」と弱音を打ち消す流れが、吉村さんが家族愛と武士の誇りの両方を何より大切にしていたことの象徴だと感じます。  

そして懐から懸命に稼いできた銭を取り出し、家族を思い浮かべながら数えるシーン…ずるいです。こんなの見せられて泣かずにいられるでしょうか。  

大野さんが用意した握り飯や太刀には手をつけずぼろぼろの刀で切腹したのは、確か歌劇でだいもんも話していたと思いますが吉村さんの意地だったのでしょう。  

彼は最初から最後まで武士を貫いた、ということなのだと思います。  

ラスト、しづさんの隣で皆に囲まれて笑顔を浮かべる姿に救われた思いでした。再び主題歌を歌っていますが、歌詞も同じなのに1度目とは歌い方が全く違うのはさすがです(天下の望海風斗氏ですから、こんなことは今さら指摘するまでもないのですが)。  

様々な魅力溢れる主人公・吉村貫一郎を演じるだいもんが見られて本当に良かったです!

 

真彩希帆さん  

しづさんとおみよさんの二役を演じた真彩ちゃん。  

しづさんはひたすら耐える役ですね。だからこそ冒頭の幸せな場面が嬉しい。雪ん子ちゃんたちに囲まれてだいもんとぐるぐる回ってるのが可愛くて…歌声は、歌詞もないのに第一声から鳥肌が立ちました。こんな歌声の持ち主は真彩ちゃんだけです、やっぱり。  

その後のシーンでは、子どもたちを守ろうとする母の強さが伝わってきました。口減らしのためにお腹の子共々死のうとしたのも、家族を思えばこそ。(吉村さんと大野さんの会話でさらっと出てきましたが、食べ物がないため死人の肉を…というのは当時の飢饉ではは珍しくなかったようです。そんな中で、この3番目の子を立派に育てるにはどれだけの苦労があったのでしょう)  

吉村さんとの別れの場面でも、追いかけようとする子どもたちに対してしづさんはじっと見つめているだけ。恐らくもう会えないだろうという覚悟もしていて悲しくない訳がないのに 表には出さず見送る姿に、武士の妻としての心意気を見ました。  

石を割って咲く桜、映像でも素晴らしかったけど生で聴いたときの劇場全体を包むような壮大さには及ばないです。テクニックや音程を意識する次元を突き抜けて歌声に浸らせてくれるだいきほ、上手すぎて素敵すぎて泣ける…  

歌といえば他にも「あなたを待つ…」と歌う銀橋ソロ、真彩ちゃんの歌声はもちろんメロディーも美しくて素晴らしかった。強弱を落としてもしっかり聴こえる、かなり大きな音の跳躍を難なくこなすなど、さりげなく技術的にも高度なことをやってるんですよね。流石真彩ちゃん!早く音源が欲しい!  

村の人々に無礼を働いてしまった嘉一郎を平手打ちし、薬を買うため吉村さんがくれた簪を手放し、泣くみつをなだめる場面。すべては貧しいことが原因、というやるせなさが辛い。「堪えてね…堪えてね…」が辛い…  

そして吉村さんの切腹と同時に銀橋を渡っていく場面。「鼻緒が…」の、文字通りぽろりとこぼれたような響きに泣きました。ファントムに引き続き、真彩ちゃんがだいもんのレクイエムを歌っているのですね…  

最後に吉村さんの死を知らされる場面で、しづさんは何も騒がず受け入れました。前述の鼻緒を虫の知らせと感じていたのかはわかりませんが、やはり死別を覚悟していたと同時に夫が誇りをもって死んだことを確信していたのではないでしょうか。  

決して豪胆ではないですが静かな強さを見せるしづさんを、真彩ちゃんは的確に演じていたと思います。  

おみよさんは貧しいしづさんとは対照的に、裕福な大店のお嬢さん。皆さんが「真彩ちゃんの「ふんっ」が可愛い」って言っていた理由がよ〜く分かりましたよ!あれはダメ、わがまま聞いて何でも買ってあげたくなっちゃう…(悶)  

そもそもおみよさんの真彩ちゃんは声からして超可愛い☺️トップ娘役就任後大人っぽい役ばかりだったので、新鮮で嬉しかったです。  

吉村さんは妻子持ちだと八木さんに言われて「何年もほったらかしのくせに」と言ってしまうあたり、気が強いを通り越して傲慢にすら聞こえますが、これは若さ故の無知の表れでしょう。吉村さんが家族を思えばこそ決死の覚悟で単身京へ来ていることを呑み込めていない。或いは、そうしなければならないほどの貧しさを理解できないのかもしれません。  

しかし、耐え忍ぶ女性である点はしづさんと同じ。おみよさんの望み通り縁談が持ち上がったもののきっぱりと吉村さんに断られてしまい、本心を隠して強がる様子がいじらしく切ない…もしかしたら望んで手に入らなかったものなんてそれまでなかったかもしれないけど、吉村さんや池波さんの真摯な思いを受け止めたのでしょう。  

しかし、しづさんの名を呼んだ吉村さんに抱きしめられ、彼がすぐ去ってしまったことで追い討ちが…一人になって表情を歪め、「ほ、ほ、ほーたる来い…」と漏らす場面は真彩ちゃんが上手いから余計に辛い。  

吉村さんは無邪気で明るいおみよさんを好ましく思っていたと思いますが、しづさんと面影が似た彼女が 自分がしづさんに与えられなかった華やかな装いをしているのを見ることに苦しさも感じていただろうと想像します。  

その後戦へ向かう新撰組をおみよさんは舞台の端でじっと見つめていて、それだけ本気で吉村さんを想っていたのだなと感じさせられました。でもきっと、彼との出会いと別れを経て少し大人になった彼女は、いつか他の人と結ばれて彼のように立派に家族を守るのでしょう。そう思わせてくれる、真彩ちゃんの素敵なお芝居でした。

 

彩風咲奈さん  

心許す友でありながら身分違いとなってしまった吉村さんに最終的に切腹を命じる大野さん、難しい役だったと思います。  

幼少期からの吉村さんとの関係の深さを示す場面がなく、登場する時間も短いので、キャリエールよりさらに大変なのでは。主人公ではないため一気に役の時間が経過してしまい、歳月を経た変化も分かりやすく表現しなければなりませんし。  

今回は斎藤さんと吉村さんの絡みが多い分そちらの方が良い役では、という意見も見ましたが、それでも二番手にふさわしいのは大野さんだと思います。そして咲ちゃんは、この難しい静のお芝居をしっかりこなしていたのではないでしょうか。  

大野さんは南部藩を支える責任ある身分であるため、自分を殺して藩のためを最優先に考えなければならない。だから脱藩を告げられた際は「たわけ!」と責めますが、いざ出立のタイミングで通行手形をこっそり届ける場面から吉村さんへの思いと 本音と建て前の板挟みである苦しさが伝わってきました。  

切腹を命じたのも、藩に罪が及ばないようにするため。吉村さんと二人きりでないときに位が上の者としての態度を崩さないのも、情に流されないよう自分を律するためでしょう。  

そんな大野さんが唯一本心を出せるのが、実母の前。二人の場面はとても印象的でしたが、咲ちゃんにとって馴染み深い前組長のみとさんが演じられたからこそのお芝居だったかもしれません。  

一方で吉村さんの死後嘉一郎に接する場面では、優しさと厳しさを併せ持った父性を感じ、包容力に溢れる咲ちゃんのお芝居がとても心に残りました。

 

凪七瑠海さん  

かちゃさんに関してはまず一言、もったいない!!!新撰組に携わった医師として明治と幕末をつなぐ役割は良いですが、とにかく出番が少ない…殺陣が出てくる場面には出せなくても、宴会とかに少しぐらい出演場面を作っても良かったのでは?せっかく上級生の余裕ある専科さんが特出しているのに、采配が残念でした。  

とはいえ、かちゃさんご本人はとても素敵!懐かしむように語る口ぶりから新撰組や吉村さんへの親愛の情が伝わってきましたし、カレンさんとの並びも 穏やかで理想の夫妻という感じ。

 

彩凪翔さん  

凪様@土方歳三という配役から大勝利!もうね、語彙力最弱で申し訳ないですがかっこいいとしか言えないです。  

あーさ、ひとこちゃんと一緒に銀橋を渡ってくる初登場から「…かっこいい…」ってなりますし、何より!宴会シーンの土方さんが!!脇息にもたれて姿勢を崩して座ってるのがめちゃくちゃかっこいいのです…あれは反則。あーさにロックオンしようと思ってたのに数秒フリーズしてしまいました、本当に笑  

あとは、新撰組が旗本に取り立てられたと隊士たちに伝える場面。土方さん一人だけ(たぶんそうだったはず)が明るめな色の羽織を着ていたのですが、それがまた鮮やかで大変お似合いでした!素敵🥰  

もちろん内面や行動もかっこいい土方さん。今回は「鬼の副長」というより、威厳はありつつも人間味溢れ、皆に慕われるリーダーという印象を受けました。吉村さんとおみよさんのお見合いに立ち会うシーン然り、谷さん暗殺に関して深く追及せず「謹慎が明けたらこれで酒でも飲め」と二十両を渡すシーン然り。  

もっと彼が登場する場面を見たかったなあ…

 

朝美絢さん  

だいきほが出ていない場面はほとんどあーさを追っていました。顔が良いだけじゃない舞台人・朝美絢がとても好きなので、できる限りちゃんとお芝居を見たかったのです。  

鹿鳴館のシーンから登場ですが、いきなり殺陣を見られてテンションが⬆️  

過去シーンでは、とにかく吉村さんとの絡みが多いので見所たっぷりでした。  

「斬ってくれる奴がいないから生きてるだけだ」と刹那的とも言えるような生き方で、いつも怒っているような表情の斎藤さん。でも沖田さんや吉村さんと関わるときに垣間見える人間らしさが魅力的で、これまたずるいキャラだなあと笑  

特に、兵糧が尽きそうな中自分は食べずに他人に握り飯を渡す吉村さんへの叫びは印象的でした。「なぜお前は優しさを失わぬ」「南部へ帰れ(=死ぬな)」というのが、様々な出来事の末に斎藤さんが吉村さんへ抱いた本心だったのですね。深い…  

あと、斎藤さんが谷さんを殺したと知って口止め料を要求する吉村さんへの「おもさげ野郎…!」。このセリフがあると皆さんのレポで知ったときは微妙な気持ちでした。「おもさげながんす」をネタにするのは、守銭奴と見下されても家族のために頭を下げ続けてお金を稼がなければならない吉村さんを馬鹿にしているように感じたから。でも、その前からの流れやあーさのお芝居を含めて観ると、そのような嫌な響きではなく、ちょっとふざけた返しができるくらい吉村さんに対する斎藤さんの意識が変わったということなのかな?と。それでも賛否が分かれるところかもしれませんが。  

そしてあーさを追っていて気づいたのですが、斎藤さんは吉村さんの死までが語られ鹿鳴館に戻る最後のシーンのみ、笑顔を見せているのです!と言っても僅かに口元を緩めている程度ですが、確かに微笑んでいる。ここにも、吉村さんや彼が遺したものへの思いが窺えます。  

私はだいもんとあーさの絡みが大好きなので、斎藤さん役が彼女にあたったことにとても感謝しています。

 

永久輝せあさん  

ひとこちゃんの沖田総司!これまた配役が素晴らしい。私、彼女の声がかなり特徴的だと常々思っています。変な癖があるというわけではなく、華やかで若々しい声だなあと感じるのです(説明が下手…)。なので、そんな彼女の声は沖田さんにぴったりはまるなと思いながら観ていました。  

彼の場面で目立つのは、やはり斎藤さんとの絡みでした。「沖田が咳をするのはハジメ君の前だけ」との裏設定があるという二人。  

斎藤さんとはタイプが違いますが、沖田さんも死を身近に感じながら生きているという感じがします。彼の場合、新撰組であるという以外におそらく結核も関係していますよね。「斬っちゃいましょうか」とさらりと言えるところに人の死への感情が希薄になっている印象を受けるけど、「僕たちが行けるのは地獄ですよ」というセリフには、平気なようでいて死を恐れる感情も見える気がする。  

暴走しがちな斎藤さんのブレーキになる沖田さん…と見せかけて、斎藤さんは沖田さんにとって精神安定剤のような存在でもあったのかもしれません。この二人の関係も深い!もっといろいろ考察してみたいです。

 

その他のキャスト  

まなはる先輩の近藤さん、誠でにわさんが演じられていたことを思うと若い配役なのかなあと思っていましたが、やっぱり安定していますね。そもそも土方さんの凪様と同期なのでその点でも適役かも。  

あやなちゃんの千秋さん、お父さんに似た穏やかさを感じるお医者様。みつさんともお似合い!  

縣くんの池波さんは、吉村さんはじめ先輩隊士たちへのまっすぐなリスペクトが伝わってきて素敵。  

彩海くんの嘉一郎とみちるちゃんのみつ、子役二人が上手すぎる。嘉一郎の家族を守ろうとする純粋で懸命な思いと、みつの泣き声がすごく心に残っています…本当に素晴らしかった。  

ひらめちゃんの大人みつさんは淑やかで聡明さを感じるレディー。みちるちゃんのみつがまっすぐに育ったんだなあ、としみじみ…  

芸者のソロを歌ってたのって愛すみれさんですよね?日本物のこぶしきかせる曲もお手の物、さすがのお上手さでした。  

そして、りーしゃさんの佐助さんとおーじくんの八木さんが本当に良い仕事してた!出番は多くない役ながら、こういう力のある役者さんが演じると舞台のクオリティーがぐっと上がりますよね。

 


演出・脚本について  

気になった点をいくつか…  

まずビショップ夫人の演出鹿鳴館とつなげるためでしょうが、外国人設定はどうしても必要だったのでしょうか?せめてカタコトに喋らせるのはやめて欲しかったなあ。  

先述の通り、かちゃさんの使い方も大いに反省を促したいところ。もったいないです!  

あとは多くの方が指摘している最後の「玉の輿」、あれは本当にない。それまでジェンヌさんが作り上げてきた素晴らしい世界観に一気にケチがついてしまう…なんでわざわざこれを入れたんだろう、他に何かあったでしょ…?

 

最後はネガティブなコメントになってしまいましたが、全体的には本当に見応えある良作だったと思います。宝塚の、雪組の日本物は素晴らしい!劇場で観ることができて良かったです。  

なんだか暗そう…と敬遠されてしまいそうな内容ですが、だからこそ感じとれるものがたくさんありました。原作もしっかり読んで、しばらくこの世界に浸っていたいです。