ろっぴーのブログ

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雪組「20世紀号に乗って」2幕感想

1幕に引き続き長文です。

Entr'acte: Life Is Like a Train
BWの映像見て楽しみにしていた、ポーター組&車掌凪様の曲。
アカペラで始まってパートも分かれている、さらにタップを踏みながら歌うという難しい曲だと思いますが皆さんバッチリでした!申し分ない2幕の掴みです。

Five Zeros
いよいよオスカーがレティシアとご対面。気前よくお金を出してくれるレティシアが小切手の金額をどんどん増やしていき、最終的には2000万ドルに!!

喜んで金額を数え上げる三銃士、というまあくだらない曲なのですが素敵なメロディーです。もちろん三人のハーモニーも素敵。私はあーさの朗々とした歌い方が好きだな、と改めて思いました。

I Have Written a Play(reprise)
今度は20世紀号の乗客、ジョンソン医師が「医者の一日」という脚本をオスカーに持ってきますが、早くリリーの元に行きたいオスカーは素っ気なく追い返してしまいます。
ジョンソン先生を演じる久城あすくんが、こんな茶番にもったいないくらい上手いwww

Sextet
やっと特別室Bに向かうオスカー。意気揚々とレティシアの小切手を見せびらかして資金の援助を受けたと明かし、リリーにマグダラのマリア」役をオファー。やはり似た者同士の二人、お芝居の内容を妄想し盛り上がります。レティシア、オリバー、オーエンも加わり契約書にサインするよう促し、ブルースはリリーを止めようと必死に口出し。
散々みんなで大騒ぎした結果…リリーは「できないわ!」と拒否。これだけ壮大なナンバーなのに話が全く展開しないところがミュージカルコメディーの醍醐味かも?

レティシアに「なんて綺麗なの」と言われて「きゃーっ😆」とはしゃぐリリーがばかみたいに可愛い
驚異の六重唱!それぞれの歌詞がきちんと伝わってくることに脱帽です
・オスカーのパート、小刻みな歌詞を長々と歌うのでとんでもない難度と推察します。滑舌オバケ、声量オバケ、肺活量オバケのだいもんだからこそなせる業。
オスカーが歌う場面ではここが一番難しいかもしれません
・リリーが一人で葛藤するパート、真彩ちゃんの美しいファルセットが存分に楽しめます。そこからの切り替えも見事!
・歌っている横でオリバー、オーエン、ブルースが暴れまわっていろいろ大変なことになっている

しかしレティシアが更なる条件を持ちかけ、リリーは再び契約を検討。
ここで咲ちゃんの後頭部vsドアが繰り広げられますwww 数ヶ月前まで「エリック、私の愛しい子よ…」と歌っていたとは思えない見事なコメディエンヌっぷりに万歳!
リリーに契約書を渡すオリバーの優しいお兄さんのような雰囲気、さすがまなはる先輩…とときめきました✨

She’s a Nut
これでリリーのサインゲット!と浮かれるオーエンの元にレティシアの甥夫妻が登場。製薬会社の会長と名乗っていたレティシアですが、実はもうリタイアしていて権利がない上に高齢で意識が混乱しているところがあるといいます。ステッカーを貼っていたのがレティシアということも判明し、逃げ回る彼女を探して車内はパニックに!小切手がただの紙切れと悟ったオーエンは絶望します。

この曲の途中まで、リリーは契約書を一生懸命検討しています。まずはオーディションのときのように謎の準備体操、それから机上のオスカー像に一行ずつ見せながら確認
…可愛すぎるー!舞台のセンターではどんどんお話が展開していきますが、ぜひここは真彩アングルで見ていただきたい。

この作品とても役が少なくて 芸達者な雪組の皆さんの見せ場が少ないのが本当に残念ですが、その分素晴らしいコーラスを聞かせてくれることに感謝。この曲も、ドラマチックなメロディーを迫力たっぷりに歌いあげています。
あーさとまなはるの掛け合いも見事!
曲中で事情を知って「オスカーとっ捕まえてやる!」と叫ぶリリー、怒ってるのにキュート♡

Max Jacobs
縣くん演じるマックスが登場!短い時間で「若手のやり手で自信家なプロデューサー」をバッチリ印象づけるところ、上手い。
そういえば、この人が元上司のオスカーに「3匹の子ぶた」のオファー出したんですよねw
咲ちゃんは「真っ先に出てきて真っ先に死ぬ青年役」だそうで…確かに才能あるだろうけど、各方面に嫌われて敵も多そうですwww
そしてこの曲、結構音域が広い。縣くん余裕の顔で歌うまでに苦労があったと思います、努力に拍手!

マックスが持ってきた「バベット」の内容を聞き、オスカーに影響されているリリーはマグダラのマリア」的展開を提案。マックスは却下した上にオスカーを侮辱し、リリーは思わず平手打ち!
「オスカーは他の人にないものを持っているわ!」ってリリーさんツンデレですね♡

Babbette
さあ、真彩ちゃんメインの大ナンバー。本来の「バベット」の脚本と「マグダラのマリア」の間を揺れ動き、混乱したリリーはついにオスカーの幻影を振り切ります。 Veroniqueに続き、真彩希帆の真骨頂を味わえる至高の1曲。

・「バベット」モードでは、少し酔っ払ったように浮ついていて何とも可愛い。真彩ちゃんとも関わりが深いヒナミ先輩の「If I Were a Bell」を思い出しました
・「マグダラのマリア」モードでは一転、オペラチックな曲調でファルセットが響き渡ります。美そのもの!
・難しい上に喉への負担も大きそう…千秋楽まで無事に歌いきれるようお祈りしています。
キリストみたいな格好で現れるだいもんwww
ひかりふるでも似たようなお衣装をお召しでしたが、今回はコメディーで何よりです
・「マックス、やるわよっ!」が男前…ますます惚れてしまいます
・コーラス勢の華やかさ、賑やかさも相まって本当にテンション上がる!最高潮に達して終わり、大きな拍手が起きました👏

The Legacy(Because of Her)
打って変わって特別室A。また一文無しに戻り、意気消沈の三銃士たち。
…でもオスカーは通常運転。結構暗い歌詞なはずですが朗々としたメロディーを堂々と歌いあげ、曲中の一人芝居も実にコミカルで上手い。

この作品、オリジナルでは完全にリリーが主役です。大勢のキャストが登場する華やかなナンバーも、1幕はVeronique 2幕はBabbetteとリリーのもの。華やかな衣装でセリフも多く、リリーを中心にお話が動く。
宝塚で上演するにあたって多少いじってオスカーを目立たせるかなと思っていましたが、おそらく演出もほとんどBWと変わらないはずです
だから、観劇された方の「きいちゃんありきの作品」のようなコメントはある意味当然なのです。(もちろん真彩ちゃんが見事にやり遂げたからこその評価ですが)

それでもだいもんの存在感が揺るぎないのは、圧巻の歌声と素晴らしいコメディーセンス、芝居心を存分に発揮しているからだと思います。例えばこのThe Legacyも、予習したときはあまり印象に残らなかったけれどだいもんのパフォーマンスの質の高さ故に魅力を発見しました。
本来は自分が主役でない作品でも、圧倒的な実力と求心力で説得力をもって魅せる。
宝塚歌劇団トップスターの矜持を見せつけられた思いです。
本当に、全編通して望海風斗は凄かった!

Lily, Oscar
オスカーが廊下に出た直後、銃声が!オスカーが持っていたピストルをレティシアが取り上げようとして発砲したらしい。撃たれたと大パニックの面々、オリバーは慌ててジョンソン医師を呼びます。
オーエン「ボス、アイスでも買ってきましょうか?」
オリバー「もうボス死んだか?」
ってお前らひどいぞwww

しかし彼は結局無傷!調子を取り戻し、銃声を利用してリリーにサインさせようと思いつくオスカー。瀕死のふりをしてリリーを呼び、死に際の願いとして契約書にサインするよう頼みます。別れを嘆く二人ですが…

・ジョンソン「なんだ、ジャフィさんですか」冷たく去ろうとする先生…w
・オスカー「先生は命の恩人です!」元々無傷なんですけどねw
・オスカー「先生簡単な芝居をお願いします、視線を感じたらただ首を横に振るだけでいいんです」これがとんでもない前フリでした…
・死にかけのふりをするオスカー、BWではイスに座ってたのにだいもんは舞台に直に寝たwww
仰向けで歌わせる原田先生、だいもんの歌を信頼してる証拠でしょうが鬼畜ですw
・リリー「オスカー!」
オスカー「誰だ?」白々しいオスカー
・「口が聞けない」設定なのに見事なデュエットを披露するオスカー
曲中に時々リリーに見られ、首を横に振るジョンソン先生www
作中一番の爆笑が起きた気がします
・実は計画を見破っていたリリー、契約書にサインしたと見せかけて署名はPeter Rabbit!!
・罵り合うリリーとオスカー、「ミッキーマウス!」で手を耳に当ててぴょんと跳ぶ真彩ちゃんがとんでもなく可愛かった

…そしてオスカーがリリーの本名「Mildred Plotka」を叫び、思いが通じ合った二人はハッピーエンド!
直前まで大爆笑が起きているので、このオチが聞こえない方が結構いるみたいです。私が観た回ではだいもんが叫んだ途端客席もシーンとし、理想的なシチュエーションという感じでした。

On the Twentieth Century(reprise)
キャスト全員が真っ白のお衣装で登場し、大団円へ!凪様がこれぞ王子様!というキラキラ感で素敵でした…
舞台上に汽車の先頭を模した豪華なセットが!最後に白タキシードのオスカーとウエディングドレスのリリーがここから降りてきて幕。

ついにですよ、待ち望んだだいきほウエディング!
汽車セットの上で手を振ったりだいもんにぴったり寄り添ったりしてる真彩ちゃんが本当にキラキラしていて可愛くて…ディズニーのパレードでフロートに乗ってるプリンセスを連想。
ガイズ新公のウエディングドレス姿が大好きな私、生で見られてこれ以上ないほど幸せな気持ちでした!

ここで泣いてる方がいたというレポを見ましたが、二人のウエディングもさることながらコーラスの力も大きいと思います。 これでフィナーレ!という華やかさとハーモニーの美しさで多幸感が凄まじかった。これぞミュージカルの魅力です!この1曲だけでチケット代の元がとれる。

フィナーレ
最初は縣くんと娘役さんたちのナンバー。縣くん、歌でソロをもらったこの公演はステップアップのための大きなチャンスになったのではないかと勝手に想像しています。スマートでかっこいい、今後の更なる成長が本当に楽しみな男役さん!

続いてはキラッキラ衣装の咲ちゃんが登場!やっと2枚目な彼女が戻ってきました。長〜いおみ足で踏むタップ、見とれてしまいます。他の男役さん、娘役さんも加わりBabbetteで小気味よいステップ。本当に心が弾むメロディーです、最高!
最後は黒いお衣装のだいきほが出てきて全員でタップ!かっこいい!!音楽は色んな曲のメドレーだったと思います。途中でかなり長めにだいきほがアイコンタクトをとります、素敵な光景でした…

そしてデュエダン。曲はOur Private Worldで一気にしっとりした雰囲気に。最後の方でだいきほがナウオンで話していた大技がありますが、スマートに決めないと曲に遅れる上に見栄えが悪くなってしまいそうな振り。
初めて生で見ただいきほデュエダン、ひたすら美しい夢の世界でした…

最後はOn the Twentieth Centuryにのってキャストが順に登場。だいもんへの拍手がもちろん一番大きいのですが、真彩ちゃんへも本当に大きな拍手がおくられていて嬉しかったです。全員でのコーラスはSaddle Up the Horseだったかな?ラストのロングトーンでだいもんの声がめちゃくちゃ聞こえてきて、「あ、円盤で見た現象だ」と思ったのを覚えていますw

だいきほ初のハッピーエンド、コメディー、演出も脚本も音楽もキャスティングも申し分ない極上のミュージカル!
劇場で観劇し、魔法のような空間を体感できたことは本当に幸運です。
真彩希帆さん、望海風斗さんにますます魅了され、出演されていた皆さんをますます好きになった素敵な公演でした。