ろっぴーのブログ

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雪組「はばたけ黄金の翼よ」感想

雪組@少女漫画、だいきほ@ラブストーリー。
初日からいろんな方の興奮気味のレポを見ましたが、期待を裏切らない…どころか、想像を超えてくる作品でした!

望海風斗さん
私が大好きな見下されたい系のだいもん!スチール公開ですでにやられかけていましたが、この目で拝んで完膚なきまでに叩きのめされました!幸せ!!
真彩ちゃんもそうですが、だいもんは役柄によっていろんな声を作ってくるので 第一声で人物の人となりが伝わってくるのが素晴らしいなと思います。
前回は家族への忠義に生きた田舎侍の声だったのに、今回は生まれながらの領主なのでギャップがすごい。でもどっちも好き!だいもんのドスのきいた声たまらん…まさにリアル男性より男。「ユアマジェスティ」って跪きたい(ヴィットリオ様はイタリア人だけど)
ちょくちょくドンジュアンを思い出させる要素があるのも好きです。黒髪長髪のだいもん〜🥰

冒頭のシーンからマント似合いすぎ問題!プログラムに載ってるお稽古場の写真もびっくりするぐらいカッコ良いし…
深い霧の十字路で出会うヴィットリオとクラリーチェ。
だいもんと真彩ちゃんが歌い始めて二人の声が重なった瞬間に「ああ私はこれを聴く為に来たんだな」と幸せを味わう瞬間は、何度体験しても慣れないと思います。

そしてアラドーロチームが華やかに勢揃いするシーン、背景の電飾がこれぞタカラヅカ!というギラギラ具合でびっくりしましたが、ヴィットリオのお衣装もそれに負けない全身金色。 これを着て違和感ないだいもんはやはりスター✨

この後かな?セリフを言いつつファルコの肩を軽く叩いていたのですが、劇中で二人の過去は描かれていないのに その一瞬の動作に込められたニュアンスだけで「ファルコは幼い頃から共に育ってきたヴィットリオの影」という設定が腑に落ちてしまうのはさすがでした。

で…例のあのシーンですね。恐らく興奮と謎の緊張のためでしょう、あまりはっきり覚えていません。
でも、「それとも、醜いぶたのような人っ!?😠」からの高笑いでヴィットリオ様ー!と目を向けたらまだ登場されていなかったこと、ベッドに片膝ついてクラリーチェに迫る構図がとんでもなかったことは脳内に残っています…

世継ぎの剣を渡して「イル・ラーゴ一(いち)の剣の使い手を差し向ける」と一方的に剣術の稽古を申し渡すセリフ、自分の名前を出さなかったのは
・自分が行くと言うとクラリーチェが来ないのではないかと懸念した
・驚かせたい悪戯心 のどちらなのか、ヴィットリオ様のお心やいかに。
どちらにせよこの時点ではクラリーチェに惹かれていることを自覚してなさそうなのがね、とっても良いですね。

湖畔でクラリーチェの稽古をするシーンは、これぞだいきほ!という感じで最高でしたね。
あと、稽古前のお国自慢が本当に南部讃歌アゲインだった。さっきまであんなに不遜な態度だったのに…と思うほど美しい自分の国を賛美する口調が素直で、実は純粋な人なんだなと不意打ちでキュンとしたのですがクラリーチェもそうだと思う。
ひかりふるではマリーアンヌの二刀流に茫然自失で為すすべなしでしたが、ヴィットリオ様は大丈夫(笑) クラリーチェの剣を余裕でいなして熱血指導。
だいもんすごく細いし真彩ちゃんとの身長差もあまりないのに、セリフ通り体格差があるように感じるのはどんな魔法なのでしょう…

そして、ファルコたちに攫われたクラリーチェを救う為ロドミアと対峙するシーン(展開が意外と早くて少しびっくりしました笑)。
解毒剤は世継ぎの剣と引き換えだと言われて自らクラリーチェを手にかけようとしますが、ロドミアに言われて初めてクラリーチェへの思いを自覚するのですね。
最初にクラリーチェに剣を向けたのは、「俺の意思を道具にするな」というよりも他人に彼女を殺されるよりは自分で…という重めな感情なのかなと考えたりしたのですが、どうなんでしょう。1回の観劇で考察するのはなかなか難しいです…
何はともあれ、目を覚ましたクラリーチェを抱きしめるヴィットリオ様の包容力が最高でした!ときめきをありがとう!!
そしてファルコに対してはクラリーチェの命乞いを受け入れたものの、追放して身内は皆殺しという重い処分。自分の為に誰かが殺されるなんて嫌というクラリーチェの思いには一理あっても、ヴィットリオは知恵と才覚、帝王学を身につけた一国の領主ですからその判断は冷静ですね(実際、その後ファルコはヴィットリオと敵対するジュリオと手を組むわけですし)。
この一連の流れでヴィットリオが浮かべている厳しい表情が それまでのファルコとの関係の深さを物語っているように思います。

ジュリオたちが陰謀を企てたボルツァーノへの招待、あっさりその狙いを見破って騒ぎを起こせないよう教皇を招くヴィットリオ様の余裕!好き!
そのくせに里帰りしたクラリーチェが喜んでると😒って不満げになるのは何!?最高か?
挙句他の人と踊ってるクラリーチェを強引に引き剥がして踊り始めるし…最高だ!
かつて「領主は愛されても愛してはならない」とか言ってたのが信じられないくらいの独占欲ダダ漏れっぷりににやけるしかない。

そして、罠だと知りつつクラリーチェの誘い通りに古城を訪れるヴィットリオ。彼女が自主的にやったわけではないけど自分の愛情を弄ばれている状況に変わりはないわけで、「一番お前の為を考えているのは俺だということがわからないのか」には苛立ちだけでなく悲しみも混じっているんだろうなあ。
裏の裏をかかれて四面楚歌になってもジュリオたちに負けなかったのに、クラリーチェの為に剣を捨てるってもう…愛が大きすぎる…
だいきほの作品って
だいもん→→→←←真彩ちゃん
みたいなのが多いけど、今回に至っては(この時点では)
だいもん➡︎➡︎➡︎➡︎➡︎←←←真彩ちゃん
ぐらいな勢いでは? はあヴィットリオ様すき…

そしていよいよ待望の(?)片目を潰され鞭打たれるだいもん。こんなに偉そうな(笑)役なのに痛めつけられるのが似合うってどういうことなのと思いますが、大劇場お披露目から何度も苦悶し舞台に蹲ってきたトップスターは伊達じゃない。

男装クラリーチェに救出されたヴィットリオ。 満身創痍にもかかわらずジュリオとの決闘に挑みますが、ただでさえ立ち回りが大変なのに傷を負っていて思うように動けない状態もちゃんと伝わってきてさすがです!普通に動くより疲れるのではないでしょうか…
全ツのハードスケジュールの中、ショーも含めこれだけ体力を使う公演をこなしつつ早朝から観光までしてしまうだいもんのタフさと情熱に改めて感服しながら観ておりました。
あと眼帯姿がかっこよすぎる。

このシーンはロドミアとのやりとりも印象的で…この作品は、単純に二人が結ばれてハッピー☆ではなくヴィットリオ中心に様々な人物の濃い関係が描かれているところが好きです。

ラストシーン。自分の元から去ろうとするクラリーチェへの思いをどストレートに歌い上げるヴィットリオ様がときめきの限界値を突破してくる…
だいもんの心に響く歌声があるからこそ、この1回の「ああ君を愛す」の破壊力が凄まじいです。

出会ったばかりの頃は自分の意志をもったクラリーチェに惹かれつつ「女は男に守られているのが一番の幸せ」と断言していたヴィットリオが、最後には「自由な女のお前が欲しい」と言う。
牢獄に捕らわれているシーンで「心は自由だ」とクラリーチェを思うセリフがありましたが、そのときに彼女を一方的にそばに置いて愛情を与えるのではなく 彼女が自ら自分を選ぶことを望むと決めたのかも。

クラリーチェに思いの丈を伝えて背を向けた後ろ姿の美しさ、自分と共にいることを決めた彼女への眼差しの優しさ、キスシーンの甘さ!(ついにキスで幕が降りるだいきほ作品が誕生🙏)

最初から最後までひたすらかっこよくて素敵なだいもんを見られて幸せでした!こんなのを見せられたら我々はヴィットリオ様に恋せずにはいられない…

真彩希帆さん
可愛らしくも、地に足つき自分の意志をもつクラリーチェ。ついに真彩ちゃんが少女漫画のヒロインに!

「誰かを助けようと思う、誰かを愛することができる…そんな人は誰だってヒーローなのよ」という食聖のセリフが反響を呼んでいたように思いますが、この作品のクラリーチェ像からもそれに通じる小柳先生のメッセージを感じましたし、現代の感覚に合ったヒロインだと思います。

自分を曲げないクラリーチェを子どもだと思う観客もいるかもしれないけど、実際身分の高さゆえの誇りや育ちの良さはあってもヴィットリオと比べると彼女は世間知らずの子ども。
それにもかかわらず母と共に父から引き離され、その父を殺した男に嫁ぐという波乱の運命なわけですから、自分の気持ちをぶつけたり時には全身でぶつかっていったりすることで必死に相手に向き合うしかないのだと思います。
そんな彼女の素直さや健気さは一歩間違えればかわいこぶっているように見えてしまうと思いますが、そうではなく心が動くままお芝居をしたらキュートで魅力的に見える、という課題を真彩ちゃんはきっちりクリアしていたと思います。

何よりだいもん同様 役としての声がパーフェクト!あれだけ地声と違う高い声で自然に明確にセリフが言えるのは本当にすごい。
真彩シャロンの艶やかで大人っぽい声が大好きなのですが、その対極にあるクラリーチェの声も大好きです。とにかくかわいい!
クラリーチェの素直さは言動だけでなく顔にも出ていて、私が真彩ちゃんの大きな魅力だと思っているクルクル変わる表情が堪能できて嬉しかったです。

冒頭のシーン、修道院から逃げてきて行くあてもないけれど「私の道は私が決めるわ!」と迷いなく言うクラリーチェの声が凛と澄んでいて綺麗で、この一言にヴィットリオがはっとなるのもうなずけます。
私は真彩ちゃんのシシィが観たいとはあまり思っていないのですが(だいきほの私が踊る時は聴きたい)、「私を帰して!」を真彩ちゃんが言ったらこんな感じなのかなとふと思いました。

次にクラリーチェが登場するのは、既にイル・ラーゴに嫁いだ後。結婚式のシーンないのかと少し残念でした笑
「見知らぬ国の…」と不安げに歌う声が清らかで美しい!曲がそんなに多くない作品ですが、ちゃんと真彩ちゃんのソロがあって嬉しいです。

そしてヴィットリオが登場してからは手のひらで転がされてるのがひたすら可愛い。本人は怯えたり怒ったり大変な目に遭っているのにこちらはニヤニヤしていて申し訳ないのですが、ただただ可愛い(語彙力…)。

剣のお稽古は真彩ちゃんの本領発揮ですね笑
最初のダメダメな剣さばきがすごく可愛いけど、ヴィットリオに喝を入れられた後急にレベルアップするので笑いそうになってしまいました。さすがだぜ我らが真彩希帆嬢…
「最後まで諦めるな」というヴィットリオの言葉や、茶化すのではなく真剣に自分と向き合う彼の姿勢でそれまでの印象をかなり覆されたのでしょうね。
ロドミアとの関係をほのめかされていきなり「嫉妬することなんてないわ」まで気持ちが発展してるんだもん、ほんとに素直だなあ…。 そしてファルコたちにさらわれた後助け出してくれ、本気で自分を案じるヴィットリオを目にしたことでさらに心動かされ。

そこからのボルツァーノでの舞踏会が本当に最高でした!
このときの赤いドレスめちゃくちゃ可愛いし、色んな男の人に次々ダンスに誘われるのも「そうだよねー可愛いもんね」って感じなのですが、それ以上にヴィットリオとのダンスの破壊力が…
好き勝手に回されながら、ヴィットリオが他の方向を向いてるときもじっと顔を見つめてたりするのです。クラリーチェ完全にときめいちゃってる!

だからこそジュリオから計画を持ちかけられたときに葛藤してしまうんですね。ヴィットリオは確かに兄妹の仇だけど彼の優しさに気づいてしまった、という板挟み。
兄に騙されたことを知り、自分が命を救ったファルコに再び襲われ、自分を救う為にヴィットリオが捕らわれてしまう…このときヴィットリオよりクラリーチェのほうが傷ついていたのかも。
それと同時に、誰にも負けなかったヴィットリオが自分一人の為に剣を捨てたことできっと完全に彼に堕ちた(もしくはそれ以前から堕ちていたことに気づいた)のかなと思います。
自分だって最初はヴィットリオを殺そうとしていたのだからジュリオが命拾いさせてやるはずはないと思い至らなかったのは確かに甘かったかもしれませんが、彼女はあまりに純粋だから仕方ないとも思ってしまう…(真彩ちゃんに関してはモンペ気味)

幽閉され自害しようとしたところで、「最後まで諦めるな」という言葉が脳裏によぎり踏みとどまるクラリーチェ。ジュリオたちの狙いである世継ぎの剣を守らなければという使命も思い出したのでしょう。
ファルコに助けられ、男装してヴィットリオを救出するために髪をばっさり切るのですが舞台写真にこのシーンがあるのが嬉しい。
真彩希帆さまの男装が実現した世界!ありがとう小柳先生!!!

無事にヴィットリオの元にたどり着いて彼を解放するクラリーチェ。
持っていた宝石と子どもの服を取り替えてもらって変装したと言っていたけど、ヴィットリオは「明らかに価値が釣り合わないだろ、本当に世間知らずだな」と内心思いながら安堵と喜びでいっぱいなんだろうなと勝手に想像してときめいていました笑

城を脱出するとヴィットリオからのお使いをするために酒場に行くのですが、そんなキュートなルックスで一人称「ぼく」は反則です…しかもcv真彩ちゃんですからね、破壊力大きすぎる。
ここでのロドミアとのやりとりが素敵だった。いろいろ辛い経験をして二人とも成長しているし、こういう娘役さん同士の(友情というのもふさわしくないような複雑な)関係は珍しい気がするので嬉しいです。

そしてやっとハッピーエンド、と思いきや素直にヴィットリオの元に戻ろうとしないのがクラリーチェ。
確かに彼を愛しているけれど、他人が決めた縁談に流され彼の愛にすがる女(愛を求めて鳴く犬)になるのではなく 自由な意思で彼と生きることを決める女(空を翔ける小さな鳥)でありたい、と言える彼女が好きです。
「あたしは自分がしたいようにするの」と語るシャロンに始まり、真彩ちゃんがこういう芯の強い役を多く演じているのがファンとしては嬉しい。

ザ・少女漫画な可愛らしさや素直さと憧れてしまう強さを兼ね備えたクラリーチェに魅了されました。
観劇が叶わなかった真彩ちゃんファンの方はぜひ映像で骨抜きにされてください!

朝美絢さん
伝説のサンジュストを彷彿とさせる、だいもんへの愛が重すぎる系あーさ。この時点で圧勝です、おめでとうございます(?)

なんであーさのこういうお役がみんな大好きなのかというと、「こんなに美しい人が思い通りにならない想いを抱えて苦悩している」という萌えなのかなと勝手に分析しています。
でもおそらくそれだけではなく、きっちりと考察し役に真摯に向き合っているからこそさらに魅力的に見えるのでは。

とはいえ、トートみたいな銀髪ストレートのカツラって目立つはずなのにお顔が美しすぎてそこまでインパクトを感じなかったからやっぱりあーさの顔面はつよい。

とにかくヴィットリオを見る目から愛がダダ漏れなのですが、クラリーチェと二人きりにすることに抵抗ありすぎでは?人払いされたのに、絶対部屋の扉に耳あてて様子伺ってたと思う笑
愛されても愛してはならないというのは領主のポリシーとしては一理あると思うし クラリーチェと結婚したのはボルツァーノ征服のためと言った時点ではヴィットリオもそれを疑っていなかったと思うけど、自分が知らない間に大切な世継ぎの剣がクラリーチェの元に渡ってるんだからそりゃあ大ショックですよね。
この剣はファルコにとって、敬愛するヴィットリオによる統治の象徴だったのかも。

この作品は主役二人の出番がとにかく多くてその他の人たちは幕前でのお芝居が目立ってしまっていましたが、その中で観客を引き込むあーさの力はすごいなと実感しました。特に印象的だったのがやはりヴィットリオのためにソング。
歌詞の大半が「ヴィットリオのために」だし幕前で歌わないといけないし、これをちゃんと聴かせるのは至難の業だと思いますが素晴らしかった。

まず声量がだいきほと並んで圧倒的に大きいことにびっくり。ボリュームをコントロールした方が発声もコントロールしやすいわけですから、声量があるということは守りに入らずに歌える技量があるということ。
私は男役さんの歌のレベルを判断するときhiA〜hiBという地声と裏声の境界となる音域を聞くのですが、この曲の最高音hiB♭がまさにこの音域。あーさは出しやすい低音域と同じ響きを保って歌っていて、これは文句なしに“上手い”レベルといえるなと感じました。
もちろん感情の込め方も申し分なく、「あらゆる音域を難しさを感じさせず自由自在に歌いこなす」だいきほのレベルにも近づいていくのではという期待でいっぱいです。
次回の大劇場公演では女役ですが歌姫設定のためソロを与えられるのではと予想していますが、アチア氏に賞賛されたCASANOVAの鳳月さんのように私たちの度肝を抜く歌声を聴かせてくれると確信しています。

さて、クラリーチェ殺害を謀ったことがバレてヴィットリオの前に引き出されたファルコ氏。 この時点ではまだヴィットリオが自分の考えを(多少なりとも)理解していると信じていたように見えましたが、結局死を命じられ…
ここでファルコは初めてヴィットリオへの憎しみを抱いたのかなと思います。まさに可愛さ余って憎さ百倍。
クラリーチェに命を救われても、それよりヴィットリオの方に感情が向いてしまっているような…影と呼ばれるほどずーっと一緒に過ごしてきた関係なので、反動が大きいのは当然なのですが。
愛情にしろ憎しみにしろひたすらヴィットリオを思っていることに違いはなく、追放されてもその状態から抜け出せなかったからジュリオの誘いにあっさりのってしまったんですね。

そしてヴィットリオがジュリオたちに嵌められ、再び彼の前に現れたとき。目を斬りつける動きは一瞬でしたが、それまで蓄積されてきた感情が爆発した迫力がすごかったです…
初演ではファルコが鞭打ち、ジュリオが失明させるという役割で 初日までファンの皆さま同様私も「あーさがだいもんを鞭で打つのか…☺️」(←どんなテンション)とワクワクしていたのですが、逆でも全く違和感なかった!どころかむしろ初演ではどうやってその流れになったんだ?と思うほど自然でした。
それに、鞭でできた傷はいずれなくなる(現にヴィットリオさまは直後に決闘してた)けど奪われた目は元に戻らないわけで、一生残る痕跡を残すほうがファルコに相応しいと感じました。

でも、やっぱりヴィットリオを憎みきれなかったファルコは「ヴィットリオのために」クラリーチェを救出。
ジャンヌへのあの言伝は反則、それは「忘れるな」と同義です。

数年後、ヴィットリオがスペインに有能な傭兵がいると噂を聞いてその兵を招聘し、「やはりお前だと思っていた、お前は俺の影だからな」って再会するスピンオフください😊😊😊

永久輝せあさん
グリエルモ伯爵に操られていいように使われてしまうジュリオさん。金髪王子様ビジュアルでヒロインのお兄さんなひとこちゃんって完璧すぎる👏

公演評で「人がいい」って表現しているものもありましたが、個人的にはそれは少し違うなと感じました。本当に人がよかったら人質だとわかっていてクラリーチェをイル・ラーゴに送ることも彼女を騙してヴィットリオを殺そうとすることもないのでは?確かに良心の呵責はおぼえていたけど、単に周りに流されやすい人なのかなという印象。
そこがグリエルモ伯爵に「領主の器ではない」と言われてしまうポイントだと思うし ヴィットリオなら陰謀も策略も涼しい顔でやってのけるんでしょうけど、逆にこの素直な人柄こそがジュリオの魅力だと感じました。なんだかんだで兄妹ですから、クラリーチェと似たものも感じる。
(とはいえ、恋人のビアンカちゃんをあんな形で利用するのはアウトよ…洞察力のあるヴィットリオさまのことですから、裏があるのを見抜いて手を出してないと信じていますが。そもそも、スパイだらけの敵国でそんな隙を見せるなんて有り得ないと思うし)

出番がぶつ切りだし難しい役だと思いますが、見た目正統派プリンスなのに中身にはギャップがある、という役をひとこちゃんで見られるのは新鮮な気がして楽しかったです。
ヴィットリオとの立ち回りも見応えがありました!

朝月希和さん
お兄さんのファルコに似て激情型のロドミア、ひらめちゃんが素晴らしく魅せてくれました。

登場するなりクラリーチェへの嫉妬に燃えているけどその裏にはヴィットリオへの愛があって、それが軽薄なものではないからただの意地悪な女性には見えないんですよね。
クラリーチェを殺すこともできたのに 彼女に剣を向けたヴィットリオを止めた彼女の行動は、後にクラリーチェのために剣を捨てた彼に重なるような…
ヴィットリオ自身よりも早く彼のクラリーチェへの思いを悟っていたのも、彼を愛しているからこそ。
兄と共にイル・ラーゴから追放されても ヴィットリオの近くにいたいと望む健気さに泣ける😭

酒場でのソロも素晴らしくて、本当にひらめちゃんの雪組での集大成なんだなとしみじみしてしまいました。
何よりこの後!男装して教皇に密書を渡そうと忍びこんだクラリーチェのため、咄嗟に芝居をうつ姿に惚れずにはいられません。
姉ひらめちゃんに弟真彩ちゃんってどんなパラダイス🙏

そして最後は決闘に臨んだヴィットリオをグリエルモ伯爵の陰謀から守るため、その身を犠牲に…
どこまでも「ヴィットリオのために生きる」姿はもしかしたら兄ファルコより純粋なものだったかもしれません。美しく誇り高く、クラリーチェに負けないくらいひらめちゃんのロドミアはヒロインでした。

そして、考えてしまったことが一つ。
私はこれまで ドンジュアンを再演するとしたら、特に初演キャストのハードルが高いのは騎士団長(香綾さん)とエルヴィラ(有沙さん)だと思っていました(もちろんだいもん主演での再演が前提です)。
でも、この役を観てしまったら前言撤回するしかありません。ひらめちゃんのエルヴィラが観たい!
まあ、ひらめちゃんが花組に行ってしまった今は叶わぬ夢なんでしょうけど…

その他のキャスト
奏乃はるとさん
組長にわさん!頼れる教皇役、登場しただけで安心感と安定感がすごかった。お忍びで酒場に行ってしまうお茶目さも🙆‍♀️

久城あすさん
普段あんなに優しそうなお顔なのに、見本のような悪役も素敵でした。安定感のある歌声で雪組を支えてくれている彼女ですが、歌なしのお芝居だけでも素晴らしいバイプレイヤー。

綾凰華さん、彩海せらさん
アラドーロチームの側近コンビ、可愛らしかった!今回はあまり目立った出番がなかったけど、ワンスではガラッと雰囲気を変えてクールな姿を見せてくれるのかなと楽しみです。

彩みちるさん、星南のぞみさん
今回はこのお二人をはじめ娘役さんにも名前ある役が結構振られていて、娘役好きとしては嬉しかった!それぞれに愛する人を思う姿が素敵でした。

ザ・タカラヅカ大芝居で逆に新鮮な印象の作品。振り返ってみるといろいろあれ?と思うポイントもありますが、そこも脳内補完したり突っ込んだりという楽しみ方ができるし、舞台から放出されるときめきの方が大きくて多幸感がすごかったです!
初めて映像化されるだいきほのハッピーエンドなので、何度も見返してキュンキュンさせていただく所存☺️
ミュージカルから日本物、果ては少女漫画まで…今の雪組さんならどんな作品でも心から楽しめるクオリティー高いものを見せてくれる、という安心感が何より幸せだと感じます。次回公演でも見たことがない魅力を届けてくれるはず!楽しみです!!